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第5回 作画監督・衣装デザイン 那須玲奈インタビュー

――まずは「作画監督」と「衣装デザイン」のお仕事についてお聞かせください。

作画監督の仕事では、上がってきた原画が演出の指示通りの演技になっているか、動きやカットごとの流れがおかしくなっていないかをチェックして描き直したりしています。また、話数内でキャラクターの造形を統一させたり細かい線のニュアンスを整えたりなどもしてます。

衣装デザインではかいづか先生の原作を元に、これからアニメの作画をする方が描きやすいよう、細部を調整しながらキャラクターが着ている服の設定を作っています。絵コンテが上がる前の段階から、こういう動きをするだろうから、服はこういう構造でないといけないというのを想定して描かなければならないんです。目の前にある絵を整える作画監督とは、違った難しさがありますね。この時にキャラクターデザインの渡邊義弘さんが描いた設定と雰囲気に差が出ないよう気を付けています。

今回、彩音・琴音が1話で着ていた寝間着のパーカーや水着など、制服以外のほとんどの服をデザインさせていただきました。

 

▲那須さんが衣装デザインを担当した第1話のパーカー

 

――渡邊義弘さんのキャラクターデザインへの印象はいかがでしょうか。

かいづか先生の柔らかさと渡邊さんのシャープさがどちらもよく現れてるデザインだと思いました。
ぱっと見だと分からないのですが、目のバランスなどがしっかり計算されていて、顔の上に十字を描くとぴったり合うんです。アニメーションとして動かす際に描きやすいよう記号的に落とし込みつつ、かわいくデザインされていて、とても素晴らしいと感じました。

余談なのですが、アニメーターとして新人だった頃、渡邊さんがキャラクターデザインの作品で少しだけ原画をお手伝いをしたことがあったんです。なので、今回作画監督として再びご一緒できたのは非常に嬉しかったです。

 

――キャラクターを描いてみての印象はいかがでしょうか。

キャラが6頭身くらいなので自分にとって描きやすくて、作業開始すぐから手に馴染むように描けたと思います。
渡邊さんや総作画監督の黒田和也さんの過去作品のイラストやラフを出来る限り集めて参考にしたりもしました。
水着や裸のシーンは肌の柔らかさが出るように実写のグラビアなどを参考にしています。実は1話の作画時に、澁谷果歩さんの水着のお写真を参考に作画させていただいていたんです。まさか後に『おーばーふろぉ』とコラボするとは思わず、嬉しい驚きでした。

キャラの顔は目が大きくなりがちな自分のクセが出ないように気をつけています。それでも中々実力が追いつかず、総作監さんにかなり修正していただいています。

▲澁谷果歩さんとのコラボキャンペーンはこちら

 

――彩音・琴音の幼少期など、キャラクター設定が無いものを描く際に気を付けていることはありますか。

幼少期やその他の設定が無いキャラの場合は、原作の絵とアニメのキャラデザの特徴を研究していい落としどころ見つけて描いていくという感じですね。

ちなみに、アニメ1話の幼少期の彩音は渡邊さんにレイアウトを描いていただいてるんですよ。こちらに関しては、以降の話数もこちらを参考に描いています。

▲渡邊義弘さんがレイアウトを担当したカット

 

――アニメ第1話ではおひとりで作画監督していただきましたが、いかがでしたか?

5分枠なのでトータル80カットくらいと少ないのですが、1話数全体のクオリティコントロールに関われてよかったです。
話数内のキャラクターの造形などを統一させるという作画監督の仕事の性質上、本来は1話数ひとりでやるのが当然なんですけどね。

スケジュールの都合などで作画監督が複数いるというのが、最近のアニメでは当たり前になってしまっているので、こういったチャンスをいただけたのは有り難いと思います。

 

――これからご覧になるみなさんへ、メッセージをお願いします。

エッチなシーンによりこだわって作っているので、ぜひ完全版を楽しみにしていただきたいです。通常版のシーンでも漫画では1コマしか描写がなかった所に乳揺れ要素が足されたり、自分たちも楽しんで作ってます!

自分の次の作画監督担当は5話の冒頭シーンになります。楽しくてかわいいシーンになっているので、来週を楽しみにしていてください!今までとは一風変わった彩音が見られるかも……!

3人の関係がアニメでどんな結末を迎えるのか、最後までぜひご覧ください。

 

・かいづか先生の原作コミック「おーばーふろぉ~挿れたら溢れる姉妹のキモチ~」はこちら
・インタビューのつづきは2月9日25時のアニメ第6話放送後に更新予定。
・次回はEXカット作画担当の方にお話を伺います。